愛されプリンス½
22♡お似合い×数学
「……か?一花!!」
「っえ?」
顔を上げると、向かいの席に座るお母さんが呆れ顔で私を見ていた。
「どうしたの?ボーッとしちゃって」
「…え」
気付いたら、さっきまで今はやりの恋愛ドラマを見ていたはずなのに、いつの間にかバラエティになっている。
「チャンネル変えたの?」
「ちょっとほんとに大丈夫?あのドラマならとっくに終わって、お風呂入るかって何回も聞いてたのに全然答えないんだもん」
「…うそ」
愕然とした。
どんだけボーッとしてたんだ私。
ドラマだって続きを楽しみにしていたはずなのに、全然内容が思い出せない。
「それにしても最近、玲くん全然来ないわねぇ」
紅茶を飲みながらお母さんが話題を変えた。
「一花、喧嘩でもしたの?」
「……別に」
「喧嘩したなら早く謝っちゃいなさいよー?お母さん目の保養がなくなって悲しいわ」
ほ、と悲し気なため息をつくお母さんにムッとする私。
「ちょっと、何で私が謝らなきゃいけないの?」
「だってどうせ一花が悪いんでしょ?玲くんが悪いことするはずがないもの♡」
「はぁ!?」
実の娘よりもあの猫かぶりプリンスを信用するなんて…
久しぶりにニューヨークのお父さーん!
あなたの配偶者が完全に洗脳されてますよ!!あの猫かぶり裏表ありまくり偽りプリンスに!!