愛されプリンス½
22♡お似合い×数学






「……か?一花!!」



「っえ?」




顔を上げると、向かいの席に座るお母さんが呆れ顔で私を見ていた。



「どうしたの?ボーッとしちゃって」


「…え」



気付いたら、さっきまで今はやりの恋愛ドラマを見ていたはずなのに、いつの間にかバラエティになっている。



「チャンネル変えたの?」


「ちょっとほんとに大丈夫?あのドラマならとっくに終わって、お風呂入るかって何回も聞いてたのに全然答えないんだもん」


「…うそ」



愕然とした。

どんだけボーッとしてたんだ私。


ドラマだって続きを楽しみにしていたはずなのに、全然内容が思い出せない。



「それにしても最近、玲くん全然来ないわねぇ」



紅茶を飲みながらお母さんが話題を変えた。



「一花、喧嘩でもしたの?」


「……別に」


「喧嘩したなら早く謝っちゃいなさいよー?お母さん目の保養がなくなって悲しいわ」


ほ、と悲し気なため息をつくお母さんにムッとする私。



「ちょっと、何で私が謝らなきゃいけないの?」


「だってどうせ一花が悪いんでしょ?玲くんが悪いことするはずがないもの♡」


「はぁ!?」




実の娘よりもあの猫かぶりプリンスを信用するなんて…



久しぶりにニューヨークのお父さーん!



あなたの配偶者が完全に洗脳されてますよ!!あの猫かぶり裏表ありまくり偽りプリンスに!!




< 299 / 420 >

この作品をシェア

pagetop