愛されプリンス½
徹夜をしたのがはじめてなのだから、
当然、徹夜明けの学校もはじめてというわけで。
「…ちょ、一花どうしたの?なんかクマ酷過ぎてゾンビみたいだけど」
登校した朝の教室で、みのりに怯えられる始末だ。
「ちょっと…一晩中人生について考えてた」
私は重い体をひきずってなんとか自分の席に着く。
「はぁ?何それ?どういうこと?」
「無理だ眠い…おやすみ…」
何で家より学校の方が眠れる気がするんだろう。
机に顔を伏せて目を閉じたときだった。
「玲~!」
ガバッと反射的に身を起こしていた。
声が聞こえた方に目を向けると、廊下で妃芽ちゃんが天王子に駆け寄るところだった。
「昨日はありがと!」
「…体は」
「うん、もう全然平気!」
ニコニコ嬉しそうに微笑む妃芽ちゃんと、いつものようにぶっきらぼう、だけどいつもより少し、雰囲気が柔らかい気がする天王子。
「あの二人って…なんだかんだお似合いだよね~」
近くで同じようにそんな二人を見ていた女子達が話す声が聞こえた。