愛されプリンス½




「美男美女だし!」


「プリンスとプリンセス…って感じ?」


「あそこだけ雰囲気違うもんねぇ」


「私らとか到底入り込めない感じ」




言えてるー!と盛り上がる近くの女子集団。




「風向きが変わるのって一瞬だよね~」




みのりもその会話を聞いていたらしい。呆れ顔で振り向いた。



「なんか昨日の体育の一件で、すっかり妃芽ちゃんは公認の彼女扱い。ま、自分たちとは顔面偏差値が違いすぎるってこと、認めざるをえなくなったみたいね」



カワイソ~に~、とニヤニヤしているみのりはなぜか少し楽しそうだ。




“公認の彼女”


“美男美女”


“プリンスとプリンセス”



窓際で話している二人はとても絵になっていて、どの言葉もぴったり当てはまってる。と思う。



そりゃそうか、元々は本当に恋人同士だったんだもんね。




納得する一方で、どこかモヤモヤする自分がいた。




……なぜ!?






< 303 / 420 >

この作品をシェア

pagetop