愛されプリンス½
「美男美女だし!」
「プリンスとプリンセス…って感じ?」
「あそこだけ雰囲気違うもんねぇ」
「私らとか到底入り込めない感じ」
言えてるー!と盛り上がる近くの女子集団。
「風向きが変わるのって一瞬だよね~」
みのりもその会話を聞いていたらしい。呆れ顔で振り向いた。
「なんか昨日の体育の一件で、すっかり妃芽ちゃんは公認の彼女扱い。ま、自分たちとは顔面偏差値が違いすぎるってこと、認めざるをえなくなったみたいね」
カワイソ~に~、とニヤニヤしているみのりはなぜか少し楽しそうだ。
“公認の彼女”
“美男美女”
“プリンスとプリンセス”
窓際で話している二人はとても絵になっていて、どの言葉もぴったり当てはまってる。と思う。
そりゃそうか、元々は本当に恋人同士だったんだもんね。
納得する一方で、どこかモヤモヤする自分がいた。
……なぜ!?