愛されプリンス½
「…俺、中学のとき妃芽と付き合ってた」
顔を逸らしたまま、天王子が独白のようにポツリと告げる。
「うん…知ってたよ。水川に聞いたし」
天王子が驚いたように私を見て、次の瞬間には苦虫を噛み潰したような顔をした。
「マジか、あいつ…後で絶対にシバく」
そして軽く息を吐くと、目を閉じる。
眠るのかな…そう思っていると、
「…中学のとき」
目を閉じたまま、ボソリと言った。
「…女アレルギーに…なったの。中学のとき」
「…そうだったんだ」
脈絡のない天王子の話。
もう話さないで、眠った方がいいよ。
だけど天王子は何かを話したそうで、私もそれが聞きたくて、黙って続きを待った。
「俺―――」