愛されプリンス½



「ちょっ…何すんの!?サイテー!」


「ちょっと一花!玲くんに向かってなんてこと言うの急に」


「だってコイツが今っ…!」


「あの、麻美さん」



私を遮って、天王子が真剣な表情でお母さんに話しかける。



「はいっ♡何かしら?♡」


なぜか天王子と話すときだけ声が3オクターブくらい高い母。


「この後、一花さんをお借りしてもいいですか?少し、学校生活のことで相談したくて」

「あらっ玲くん悩み事?」

「まぁ大したことじゃないんですけど…一花さんの部屋お借りしてもいいですか?」

「ええ、全然いいわよ!」


なぜか私を完全無視で話を進めていく天王子とお母さん。


「じゃぁ行きましょうか、一花さん」


柔らかく微笑んだ天王子が、その笑顔とは裏腹に力強く私の腕をつかんだ。


「はっ!?ちょ、やだよ、何であんたを部屋になんか…!」


「いいから行こうか」


「ちょっ…だからヤだって!離してよ!」



無理矢理私を立たせ引っ張る天王子。


「ちゃんと玲くんの相談にのってあげなさいよ、一花~」


なんてお母さんはノホホンと食後のお茶なんて飲んでるし。



年頃の娘の部屋に簡単に男を入れるな母よー!!





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