愛されプリンス½
26♡時間×秘密
―――一睡もできなかった。
私は寝不足で重い体を引きずりながらなんとか学校に行く支度をしていた。
眠れないベッドの中で、
天王子の熱のこもった瞳を思い出して発火しそうになったり、
あそこで何で逃げてしまったのかと自分を責めたり、
いやでも、あそこで逃げなかったらどうなっていたのか…!?と想像してまた発火しそうになったり。
そんなことを繰り返していたら朝になっていた。
はぁ…
ため息をついて鏡を見る。
時計を見ると、まだ家を出るには少し余裕があった。
メイク…していこうかな。
うちの学校は比較的校則は緩いから、メイクもOKなんだけど、私は面倒くさがってあまりしていかない。
でも。たまにはちゃんとメイク、しようかな。
とりあえずビューラーを手に持って、慎重に睫毛をあげてみる。
昨日一晩考えて、逃げたことを後悔してる自分に気付いた。
天王子の過去を聞いて、すごく好きだって伝えたくなった。
天王子はなんて答えるか分からないけど…
伝えよ。ちゃんと。