愛されプリンス½




軽くメイクをして、よしっと気合をいれた。



今度天王子に会ったら、今度こそちゃんと伝える。決めた!




「いってきまーす!」



そう決意をして、お母さんに声をかけて家を出る。


ドアを開けた瞬間、




「……よぉ」


「っは!?」




なぜか天王子がいた。




「…は?ってなんだよ」




もたれていた壁から身を起こした天王子が不機嫌そうに言う。




「い、いやだって、な…何してるの?」




こんなに早く会うとは聞いてないんですけど!




動揺を隠せない私に、天王子が一歩、距離を詰めた。





「…昨日は悪い」


「…え…」


「いきなりあんなことして。なんか、止まんなかった」




気まずそうに私を見る天王子。


私は昨日のことを思い出して、ボッと顔に熱が集まっていくのを感じた。



絶対赤くなってるよ!!


それを隠すように慌てて俯く。




「…いや…あの…よ、よかった!なんか元気そうだね」




天王子の顔から発疹は消えていた。




「……おー」




俯いた視界に天王子がまた一歩、距離を詰めてくるのが見えた。





…ゴクリ。



唾を飲み込む。



まさかこんなに早くチャンスが訪れるとは想定外だけど。言おう。ちゃんと。





「あ、あのね天っ…」


「今日から一週間沖縄に行く」





「……え?」





まさかの発表に耳を疑った。





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