愛されプリンス½
「はぁ…」
さっきから全く減らないお弁当。
昼休み、私は中庭の隅っこのベンチで一人、ご飯を食べていた。
いつもはみのりと一緒に食べるけど、今日は昼休みが始まるなりさっさと教室を出てどこかに行ってしまった。
教室で一人でお弁当をつつくのは辛過ぎて、逃げてきた。
「はぁぁぁぁ…」
食欲なんてあるわけない…
私はまだ半分以上残ったお弁当の蓋をそっと閉める。
お母さんごめんなさい…
心の中でそう謝ったとき、頭の上に何かが落っこちてきた。
「痛っ…!?」
見ると、生ゴミが私の足元に散らばっている。
は…?
上を見上げるけど誰もいない。
…空から生ゴミが落ちてくるわけない。
絶対誰かが私めがけて落としたんだ…。
サッと顔から血の気が引く。
こわい。
私はそのときはじめて思い知った気がした。
天王子―――
“プリンスはみんなのもの”
…バカげてる。