愛されプリンス½
クラスのリーダー的存在の女子が、鼻で笑ってバカじゃん、と呟いた。
みのりはその女子をキッと睨みつけると
「バカはどっち?そっちの方が100倍バカでくだんないんだけど!」
そして一瞬、私と目があった。
私と目が合ったみのりが一瞬、眉をさげる。
だけどすぐに視線を逸らして、険しい声で「先生!」と呼びかけた。
「お、おう…どうした」
「トイレ行ってきます!!」
「お、おう…いってらっしゃい」
そしてそのまま教室を出て行くみのり。
「せ、先生!」
私も慌てて立ち上がる。
「こ、今度は何だ、村田」
「えっと…私もトイレ行ってきます!」
「なんなんだ一体…」
不審そうな先生の声を背中で聞きながら、私も教室を飛び出した。