愛されプリンス½
みのりがモゴモゴと言葉を濁す。なんだかみのりらしくない。
「ていうか私が一番頭にきてんのは、そんなことじゃなくて。
私は一花のこと親友だと思ってたのに。
何でも話せるし、何でも話してくれてると思ってたのに。
そう思ってたのが私だけだったっていうのが…すっごいムカつくんだけど」
最後は真っすぐ私の目を見て、きっぱりそう言った。
「…っ、ごめん。
みのりのことは親友だと思ってる。
でも、親友だから、絶対嫌われたくなくて…言えなかった」
最後の方は涙声になってしまった。
「…バカじゃないの。死ぬほど羨ましがっても嫌ったりなんてするわけないじゃん?」
みのりも涙声で、目も少し赤かった。
それを誤魔化すように咳払いしたみのりが、私に右手を差し出した。
「仲直りしよ!」
“友達になろうよ!”
「…うん!」
その手をしっかり握る。
ありがと、みのり。