愛されプリンス½





次の日登校すると、妃芽ちゃんは既に席に座っていた。




…ゴクリ、唾を飲み込んで、妃芽ちゃんに声をかける。




「…妃芽ちゃん」



私に声をかけられたのに驚いたのか、妃芽ちゃんは微かに肩を揺らして顔を上げた。




「あの…妃芽ちゃんに聞きたいことがあって」



「…聞きたいこと?」



「うん。今日どっかで時間、作って欲しいんだけど…」




妃芽ちゃんが探るように私を見る。



大きな目で瞬きを一つして、




「…いいよ。じゃぁ今日の放課後、体育館の用具倉庫に来て」




何でそんな所?と思ったけど、私的にもあまり他に聞かれたい話じゃない。




「わかった」




コクリと頷いた。





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