愛されプリンス½





「…それで…何の用?」




妃芽ちゃんは体育倉庫に、私より15分くらい遅れてやってきた。



バスケ部もバレー部も今日は休みなのか、体育館は静かだ。





「…あの、あの写真のことなんだけ…ど」




やばい、緊張する。喉がカラカラだ。




「あの写真?」



それに対して、妃芽ちゃんはいつもと全然変わらない。堂々とした態度。





「あの…私と天王子の、写真」


「あぁ…それが?」


「えっと…」





何なんだろう、妃芽ちゃんのこの余裕。



何て切り出したらいいのか…あぁもういいや、もう単刀直入に




「あの写真撮ったのって妃芽ちゃんだよね?」







「…ふーん、何で?」




私の言葉にも、妃芽ちゃんは表情ひとつ変えなかった。




「写真の隅っこに写ってるミラーの中に、妃芽ちゃんらしき子が…うつってて」


「…ふーん」




ニッコリ妃芽ちゃんが笑った。




「そうなんだ?」


「そうなんだって、何であんなこと…」


「撮った犯人とか今重要?」




妃芽ちゃんはいつもと変わらない。可愛い天使みたいな笑顔を浮かべてる。






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