愛されプリンス½
「お~♡」
それを見ていた水川がニヤニヤしながら歓声をあげた。
「玲やる~。あ、キミまだ起きてたの?もう寝て?」
そのときムクリと起き上がったリュウに再度蹴りをいれる水川。リュウは完全にノックアウトされた。
「て、いうか背中痛いでしょ…!?おろして、重いからっ…」
「だから動くな、じっとしてろよ」
「やだ、おろしてって…!」
恥ずかしいからこの体勢!
脱出しようとしたけど、天王子の鋭い視線に動きが止まる。
「重いんだからマジじっとしてろ」
「ちょっ…失礼な!だからおろしてって…!」
「むり。死んでも離さねー」
…今度は心臓が止まりかけた。
ずるい。
重いとか言われてんのに。
ドキドキが簡単にそれを上回る。
大人しくなった私を天王子がドアの方に運ぶ。
すると、
「…プリンス、何してらっしゃるの…!?」
血相を変えて私たちの前に現れたのは…九条先輩。