愛されプリンス½
「…プリンス」
九条先輩は今にも泣きそうな顔してる。
「本当に、こんな女がいいんですか…?私はあなたに少しでも釣り合うように努力してきました。あなたの隣に並んでも恥ずかしくない女になろうって…!」
「あのさぁ」
天王子がため息をついた。
「お前、勘違いしてるわ。
俺にふさわしい女は俺が決める。外野の意見とかどーでもいいんだよ」
そして私を抱え直すと、
「どけ」
鋭い声で言い放った。
「………っ」
黙って身を引く九条先輩。
「あ、おい、この人たちの後始末どーすんの?」
後ろから追いかけてくるのは水川の能天気な声。
「知らね。開人に任せる」
「リョーカイ☆」
水川がニッと笑った気配がした。