愛されプリンス½
31♡愛してる
―――そして。
「……あの。天王子…?」
「………」
「ずっと黙ってるけど…」
「………」
「……あの。なんか怒ってる?もしかして」
「………」
「あの……」
まるでお地蔵様と会話してる気分だ。
あれから真っすぐマンションまで連れ帰られた私。
「……天王子。ホントにありがとう…」
私と天王子の部屋の、ちょうど中間で。
そう言って自分ちに帰ろうとした私は
「お前やっぱちょっと来い」
強引に天王子の部屋に連れ込まれ、今に至る。
私をベッドに座らせてペットボトルの水を渡してきた後は、ずっと少し離れたところの椅子に座って、黙りこくったままの天王子…
……空気のシンという音が耳に痛い。