愛されプリンス½
もしかして感謝の気持ちが足りないと怒ってるとか!?
「天王子、あの、本当にありがとう、助けてくれて。まさか来てくれると思わなかったから、ほんとに感謝してる。ありがとう」
「………」
なぜかジロリと物凄く不機嫌そうな瞳で睨まれた。
「えっ何!?」
不正解!?
「…あー…ダメだ。ムカつきすぎて死ぬ」
そしてクシャリと自分の前髪をつかんでうなだれた。
やっぱり怒ってらっしゃる!?
「わかった!私が変に面倒かけさせたから怒ってるんだよね?っていうか私があそこにいること何で分かったの?」
「……電話かかってきた。お前から。で、状況を把握した」
「電話…?……あ。」
もしかしてスマホをいじろうとして、リュウに取り上げられた時だろうか。そっか、天王子に電話かかっちゃってたんだ、あの時。
「そっかぁ、よかった、電話かけたのが天王子で」
思わず本音が零れる。天王子がじっと私を見てるのに気づいて「あぁ違うよね!」と慌てて訂正した。
「天王子変なことに巻き込まれたから怒ってるんでしょ?それはホントごめんて。
それにしても大丈夫?九条先輩の前で完全に猫なぐり捨ててたけど、明日からのプリンスとしての地位が…」
「お前いい加減黙れ」
椅子から立ち上がった天王子が私を見下ろした。