愛されプリンス½
「お前が何か一言発す度にムカつきすぎて脳細胞が死ぬ」
「はい!?」
どういう状況それ!?
「そ、そんな…じゃぁ怒ればいいでしょ!?でも、私だって好きでああいう状況になったわけじゃ…!」
「ちげーよ」
天王子の声が遮る。
思わず黙ってしまった。
だって、天王子がなんか、痛そうな顔をしてたから。
「お前…俺がいない間に何であんなことになってんの。
大体想像つくわ。学校中から吊るしあげられてたんだろ?そんな怪我までして」
天王子が私の膝に貼られた絆創膏を見ているのに気付いて、なんとなく手で隠した。
「…そういうとこ。ほんとムカつく…」
「…え?」
「何で言わねーんだよ…言えよ。電話でも何でもすればいいだろ」
「…だって…」
「もっと頼れって言ってんだよ」
バチッと天王子と目があった。
…なんか…もしかして天王子、すっごい私のこと心配してくれたんだろうか。あんなに息を切らして、駆け付けてくれて。
「…ふっ」
思わず笑みがこぼれる。天王子が不可解そうに眉をひそめた。
「…なに笑ってんだよ」
「…ごめん。嬉しいかも」