愛されプリンス½
「はぁ?」
天王子が不機嫌そうに首をかしげた。
だって。
天王子は私がイジメられたって、家が隣のことがバレたって、どうでもいいんじゃないかと思ってたから。
「…心配してくれて嬉しい」
自然に頬が緩まってしまう。
天王子を見上げると、
「…っ、」
口元に手を当てた天王子が
「…やっぱムカつく…」
大股で私に近づいてきて、グイッと首の後ろに手を添えたと思ったら、そのまま強い力で引き寄せられた。
…は。
天王子のとじた瞳が信じられないくらい近い距離にある。
唇に何かが触れている。
「……やっと黙ったな」
唇を離した天王子が、ふっと私を見て口角をあげた。
……えっと。
「今…?」
「すっげー顔」
ふはっと笑うと、ギュッと抱きしめられる。
「…や、笑ってる場合じゃなくて」
「お前の顔が面白いから悪いんだろ」
いやそれ悪口…だよね?