愛されプリンス½
「…おまえ今チョロいって思っただろ」
「え!!!」
焼きそばパンをくわえたまま私を睨みつけてくる天王子。エスパー!?
「言っとくけどお前が考えてることとか大体分かるから。顔に出てるし」
「そうなの!?」
…なんか悔しいそれ。まるで私が天王子の手の平で転がされてるみたいじゃん。
「わっ私だって、天王子の考えてることなんて大体お見通しだし!」
「…ふーん?」
悔しくて言い返すと、天王子にパシッと手首をとられた。
そのままグイッと引き寄せられて、気付いたら天王子の膝の上…
「!?」
「お見通しなんだろ?」
すぐ目の前の天王子が、試すような笑みを浮かべて私を覗き込んでくる。
「じゃー当ててみろよ。今俺が考えてること」
「…っ」
ていうか近い!
胸を押して立ちあがろうとするけど、もう片方の手首もつかまえられて、身動きがとれない。
楽しそうに黙り込む私を観察してる天王子。…吐息がかかりそうな距離。顔に熱が集まってくる。
あー…もう!
「わっ…私のお弁当早く食べたいな♪とか!?」
うわ、ありえねー。なんて即答されてすぐに開放される算段だったのに
「………」
なぜか今度は、天王子が黙りこくってしまった。