愛されプリンス½
「やっぱり一緒に帰るのはムリ…肩身狭すぎるし注目の的だし…」
「は?無理」
一刀両断された。
「何で?別に家で会えるんだしいいじゃん」
彼女の鼓膜が破れてもいいのか!
「注目された方がいいだろ」
「は?何で?」
「…お前が俺の彼女だって分かるだろ」
「プリンスファンに?それはもう十分伝わって…」
「だけじゃなくて」
天王子が少し言いづらそうに、唇を噛む。
「…他の男にも」
「…………え」
一瞬、ほんとに耳がおかしくなったのかと思った。
他の男って…
「…あのー、私モテないよ…?」
「知ってる」
「…じゃぁ」
「最近知ったんけど」
足を止めた天王子が、まっすぐ私を見る。
「俺思ったより独占欲強いから。絶対誰にもやんねーよ?」
そして私の返事は待たず、行くぞ、と私の手を引っ張って歩き出す。
…みなさま、これは事件です。
天下の愛されプリンス(ただし性格は最悪)は、どうやら村人Eに思ったよりも、ご執心のようです。