愛されプリンス½




くそ…!



涼し気な笑みを浮かべ人のベッドに座る天王子を睨みつける。



だから、何でこの部屋の主である私より偉そうなの、コイツはっ!




「ていうか、あんたってホントに女アレルギーなの…!?」



むしろ物凄く女慣れしてるように見えるんですけど…!



前から薄々感じていた疑問をぶつけると、「はぁ?」と心底呆れたような声が飛んできた。



「何だそれ。ホントじゃなかったら何で俺が、お前みたいなド平凡女わざわざハグしなきゃいけねーんだよ」


「そ、それは…そうだけどっ…!」



激しく納得だけど。なんか物凄くムカつくな。



「別に…そんな嫌々、こんなド平凡女に協力頼んでまで克服することないんじゃない?今だって十分モテモテで楽しい人生送っていられるようですしっ!」


出来るだけ嫌味っぽく聞こえるようにそう言うと、「フン」と鼻で笑われた。



「バカか。俺に弱点とかいらねーんだよ」


「は?」


「顔よし、頭よし運動神経よし、おまけに性格よし。このパーフェクトな俺様に弱点とかあっちゃいけねー」


「…性格よし…!?誰が!?」


「とにかく」




私の疑問の声は無視して、天王子が立ち上がる。


そして私の前までゆっくり歩いてくると、ニヤリと口角をあげた。


「その為だったら何だってする」


グイッと体をひかれ、腕の中に閉じ込められる。



「お前だって何百回でも抱きしめてやるよ」





< 46 / 420 >

この作品をシェア

pagetop