愛されプリンス½
くそ…!
涼し気な笑みを浮かべ人のベッドに座る天王子を睨みつける。
だから、何でこの部屋の主である私より偉そうなの、コイツはっ!
「ていうか、あんたってホントに女アレルギーなの…!?」
むしろ物凄く女慣れしてるように見えるんですけど…!
前から薄々感じていた疑問をぶつけると、「はぁ?」と心底呆れたような声が飛んできた。
「何だそれ。ホントじゃなかったら何で俺が、お前みたいなド平凡女わざわざハグしなきゃいけねーんだよ」
「そ、それは…そうだけどっ…!」
激しく納得だけど。なんか物凄くムカつくな。
「別に…そんな嫌々、こんなド平凡女に協力頼んでまで克服することないんじゃない?今だって十分モテモテで楽しい人生送っていられるようですしっ!」
出来るだけ嫌味っぽく聞こえるようにそう言うと、「フン」と鼻で笑われた。
「バカか。俺に弱点とかいらねーんだよ」
「は?」
「顔よし、頭よし運動神経よし、おまけに性格よし。このパーフェクトな俺様に弱点とかあっちゃいけねー」
「…性格よし…!?誰が!?」
「とにかく」
私の疑問の声は無視して、天王子が立ち上がる。
そして私の前までゆっくり歩いてくると、ニヤリと口角をあげた。
「その為だったら何だってする」
グイッと体をひかれ、腕の中に閉じ込められる。
「お前だって何百回でも抱きしめてやるよ」