愛されプリンス½
「いーや、絶対赤くなってる、タコみてー」
バカにしたようにケラケラ笑いながら、私の顔を意地悪く覗き込む天王子。
「うっうるさいな!」
「なんだよこっち向けよ」
「やだ!」
「こっち向けって」
「うっうるさいな…!ドキドキなんてしてないからね!」
思いっきり顔を逸らしながらそう言えば、なぜかピタリと、天王子の動きが止まった。
そのまま何も言わない天王子。
不審に思ってそっと顔を上げると、天王子のまじまじ私を見つめる瞳とぶつかった。
「な、なに…?」
「…お前さぁ」
天王子が私を見つめたまま口を開く。
「ほんと、なんなの」
「は…?」
「それって計算?それとも天然なワケ」
「はぁ?」
天王子の言っている意味がさっぱり分からない。
首を傾げると、なぜか思い切り顔を歪められた。
「タチわりぃな」
そしてチッと舌打ちすると、不機嫌そうに私の手を引っ張って歩き出す。
「は?何急に怒ってんの?」
「怒ってねーし」
「怒ってんじゃん」
「怒ってねーって黙れドブサイク」
ムカッ…!!!