愛されプリンス½
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ〜…」
あ、たぶん今、ため息の長さギネス新記録でた。
それくらい長いため息をついてから、力なく机に倒れこむ。
ガヤガヤと騒がしくなるクラス。購買に向かって男子が教室を飛び出していく足音、女子が机をくっつける音。
…ついにきてしまった。魔の昼休みが!!ジ・エンド。
「ちょっ…どうしたの一花。具合悪いの?」
いつも通り私の席まで来てくれたらしいみのりの、怪訝そうな声がする。
「みのり…プリンスのファンクラブ会長って…知ってる?」
机に突っ伏したまま聞くと「え?当たり前じゃん。九条先輩でしょ?」とすぐに答えが返ってきた。
やっぱり有名人なんだ…。
「なんかすっごい綺麗な人だよね…」
「綺麗なだけじゃないよ。あの九条食品のご令嬢で超金持ち。
プリンスの彼女の座に一番近い人って言われてる」
九条食品っていったら、日本で知らない人はいないくらいの超一流企業。
そんなすごい人がアイツのファンクラブ会長だったなんて。
彼女の座に一番近い人、ね…。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁ」
「なっっがいため息。どうしたの急に?ファンクラブにでも入会したいの?」
「死んでも嫌」