愛されプリンス½
よっこらせと、重い体に鞭打って無理矢理起こす。
そろそろ行かないと。
「ごめんみのり。今日実は委員会の集まりがあってさ…遅くなりそうだからご飯食べててくれる?」
「うそ、マジで?わかった」
もちろん委員会の集まりなんて嘘。
だけどみのりに言うわけにはいかない。
絶対心配するし…それ以前に、それまでの経緯を説明できないし。
フレンドリーで明るいみのりは私以外にも友達が多いから、お弁当を食べる相手には困らないはず。
「がんばってね」と言うみのりに曖昧に微笑んで、教室を出た。
あぁ…気が重い。
中庭に着くと既に会長と、朝もいた二人の先輩がいた。
「こっちに来て」と言われるまま後をついていく。
中庭を突っ切り、着いたのは校舎と校舎の間の僅かな隙間。
ちょうど人三人がギリギリ並べるくらいの横幅で、陽も届かないので薄暗い。
足元にはもう使われなくなったらしいグローブや、サッカーボールが雑然と転がっていた。
人目につきたくない話をするにはもってこいの場所だ。