愛されプリンス½
サッと自分の顔から血の気が引いていくのが分かる。
会長がス、と手を振り上げた。
ぶ、ぶたれる…!!
咄嗟に目を閉じた、そのとき
「何してるの?九条さん」
耳に届いた柔らかい声。
瞬間、すぐに私の胸倉から手が離される。
空気がガラリと変わった気配。
「プッ…プリンス…!!」
恐る恐る目を開けると、驚きに目を見開き固まっている会長と先輩、
そして
「あぁ、村田さんだったんだ。ここにいたの」
私を見て上品に笑う、プリンスが立っていた。
……うそ。何でこんな所に、天王子が。
「…プ、プリンス…!」
ようやく我に返った会長が、天王子に詰め寄る。