愛されプリンス½
キーンコーンカーンコーン―――
そんな中、午後の授業開始10分前を知らせるチャイムが鳴って、水川は立ち上がってシュッとゴミ箱に向かって折り畳んだいちごミルクのパックを投げた。
一発で決まったのを見て、満足気に伸びをする。
「じゃー授業始まるし戻るかぁ」
チャラそうに見えて、意外とマジメらしい。
「ね、ねぇ水川…くん」
やっぱりさっきの、天王子の“傷”の話が気になる。
「だからぁカイちゃんって呼んでよ」
「…それは無理」
「何で!じゃぁせめて開人で」
「え~…下の名前はちょっと」
「俺のこと、心の中じゃ“水川”って呼び捨てにしてるくせに」
え、と面食らった私に、ニッと得意気に笑う水川。
「じゃ、またね?一花ちゃん♪」
水川開人―――チャラそうで、意外とマジメっぽくて、なんだかいまいち―――読めない男。