愛されプリンス½
「私もこれで三つ目なんですけど!」
「は?数あわねーだろバカが」
「あんた嘘ついてんじゃないの?」
「お前が数、数えらんねーだけだろ」
「数くらい数えられますナメないで!?」
「もうっ一花!まぁた大きな声出して…!」
唐揚げをめぐって天王子と睨み合っていると、やれやれと肩を竦めたお母さんが戻ってきた。
「だって天王子が唐揚げっ…痛!!」
その長い足を利用し人の足を踏みつける姑息な天王子!
「ちょっ何す…!」
「唐揚げどうぞ、一花さん。お腹減ってるみたいだし、譲ってあげるよ」
ニコリと天王子が素敵笑顔でそう言った。
まぁぁ!とお母さんが感動している。
「玲くんは心までイケメンなのね…!
ごめんなさいねぇ、食い意地の張った娘で…!」
HAHAHAと爽やかに笑う天王子を思い切り睨みつける。
いつか覚えてなさいよ…。