愛されプリンス½
いくらそういう経験がない私でも、それがいかがわしい意味を指していることは簡単に想像がついた。
“ぶっちゃけ玲とはどこまでヤッたの?”
昼休みにも水川にそんなこと聞かれたし。
ったく…これだから…これだから男ってやつぁあ!!
「そんなわけないでしょ!?バッッカじゃないの!?」
つかまれていた右手首を振り払って思い切り距離を取る。
睨みつける私に
「そんな必死になって否定されると余計怪しーな」
ニヤニヤとムカつく笑みを向けてくる天王子。
「したいならしたいって正直に言えば?お前とならできるかもだし、俺」
「なっ…何言ってんの!?違うって言ってんじゃん!」
「無理すんなよ~?」
「無理してないから!ほんとバカじゃないの!?
そ、そういうことは好きな人とするものであって…!!」
はぁ?と天王子の顔がバカにしたように歪む。
「お前…ほんとバカだよな」
「はい!?」
「キスもそれ以上も、はじめて好きになった人に全部捧げたいって?
ほんとバッカじゃねーの」
冷たい瞳でそう言って、近づいてくる。
逃げる前にクイッと顎をつかまれた。
「好きとかそんなの全部幻想。笑わせんじゃねーよ」