わたしと先生。
第一話 先生
わいわい、がやがや。
入学式。
桜が満開に咲いた入学式日和のこの日。
私は香ヶ丘高校に入学する。
偏差値が高いこの高校に行くために頑張った中学受験。
念願叶っての高校生活。
私の心は浮かれていて、見える世界はキラキラ輝いていた。
そして、もうひとつ。
私の心が浮かれている、理由がある。
「ふゆ~!」
「みくりちゃん!」
「同じクラスだったー!」
「わあ~!やったあ~!」
身長が低い私に変わって、身長が高めのみくりちゃんがクラス分けの張り紙を見に行ってくれていた。
見事に私たちは同じクラスで。
ふたりで抱き合いながら、飛び跳ねて喜んだ。
「元気ですね。」
そんな声が、上から振ってくる。
ぱっと振り向くと、
「入学おめでとうございます。」
通りすがり。
若い先生が、こちらに微笑みかけながらそう言って去っていった。
「あの先生新任かな?若めじゃない?」
「……!!」
「ふゆ?」
「……みつけた!!」
「えっ?ちょっ、ふゆ!?」
みくりちゃんが私を呼び止める声が聞こえる。
でもそんなの全部頭に入ってこなくて。
私は無我夢中で、さっきの先生を追いかけた。
入学式。たくさんの新入生。人混み。
人混みをかけ分けながら走って。
でもなかなか追いつかなくて。
それでも諦めたくなくて。
必死に人混みをかいくぐって、やっと。
人気の少ないところに出る。
裏庭。太陽の光が入り込まない、職員玄関。
「先生!」
やっと、見つけた。
入学式。
桜が満開に咲いた入学式日和のこの日。
私は香ヶ丘高校に入学する。
偏差値が高いこの高校に行くために頑張った中学受験。
念願叶っての高校生活。
私の心は浮かれていて、見える世界はキラキラ輝いていた。
そして、もうひとつ。
私の心が浮かれている、理由がある。
「ふゆ~!」
「みくりちゃん!」
「同じクラスだったー!」
「わあ~!やったあ~!」
身長が低い私に変わって、身長が高めのみくりちゃんがクラス分けの張り紙を見に行ってくれていた。
見事に私たちは同じクラスで。
ふたりで抱き合いながら、飛び跳ねて喜んだ。
「元気ですね。」
そんな声が、上から振ってくる。
ぱっと振り向くと、
「入学おめでとうございます。」
通りすがり。
若い先生が、こちらに微笑みかけながらそう言って去っていった。
「あの先生新任かな?若めじゃない?」
「……!!」
「ふゆ?」
「……みつけた!!」
「えっ?ちょっ、ふゆ!?」
みくりちゃんが私を呼び止める声が聞こえる。
でもそんなの全部頭に入ってこなくて。
私は無我夢中で、さっきの先生を追いかけた。
入学式。たくさんの新入生。人混み。
人混みをかけ分けながら走って。
でもなかなか追いつかなくて。
それでも諦めたくなくて。
必死に人混みをかいくぐって、やっと。
人気の少ないところに出る。
裏庭。太陽の光が入り込まない、職員玄関。
「先生!」
やっと、見つけた。
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