初恋は水中の彼
「柴田くんて彼女いるの?」
「わからない、そういう話題にならない(笑)」
「さっきご飯食べにいくっていってたじゃん」
「うん、そうだね、初めて行くよ」
「部長同士って付き合ってるの知ってた?」
「知らない、そうなんだー、律ちゃんは彼氏いるの?」
「いるよー高校の同級生、大学は違うけど」
「へぇ、聞かせて」
女子トークに花が咲く
次の日ジムで二人はトレーニングをしていた
「昨日楽しかったね、あたし、ああいうの初めてだったから楽しかった」
「高校の時とか中学の時、打ち上げとかなかったのか?」
「なかった」
「そっか、でも疲れたよ二次会まで付き合わされて、俺ら酒も呑めないのにさ、先輩らは酔って絡んでくるしさー」
「あたし、女子高だったし、学校終わってすぐ帰ってたから今部活ってものが楽しい(笑)」
譲は杏奈を見た
必死で泳いでたんだな……
「よし、終了〜ご飯いこうぜ」
「ジャージ?」
「うん、俺ジャージで来たし」
「わかった、鞄もってくるね」
二人はファミレスに行きご飯を食べる
「杏奈はさ〜何でうちの高校に来なかったんだ?中学の成績からいっても推薦いけただろう?」
「お母さんが同じコーチでいったほうがいいだろうって……それに家からも少し遠かったから遅くなると心配だからって、スクールに顔出してると迎えにもいけないし……譲の高校はうちから一時間はかかるでしょ?」
「そっか……俺んちからだと駅に近いからすぐなんだけどお前んちは駅が近くにないからなー」
「駅に近かったらあんな土地買えないよ(笑)不便だからスクールバスも出してるのに」
「俺、お前も同じ高校くるものと思ってた、なら何故大学は?」
「高校で伸びなかったからじゃないかな、環境を変えようと思ったのかも、譲は高校楽しかった?」
「まあな先輩がいるっていうのは大きかったかな、可愛がってもらったし、先生とは違うアドバイスとかくれるしな」
二人は店を出る
「これからどうする?」
「譲はどっか行きたいとこある?」
「譲……」
二人は振り向いた
この間大学で譲といた人だ
「偶然ね」
「あーそうだな」
「あの」
「何?用事あるの?」
「ううん用事はない、ごめんなさい呼び止めて」
「行くぞ」
杏奈は譲の後ろをついていく
「あの、話したそうだったけど、よかったの?元カノさんでしょ?」
「お前、何で知って……」
「この間二人で大学でいるとこ見たの、その時譲の友達に会って……教えてくれた」
「あいつら、おしゃべりか、まあ高校の時付き合ってたけど別れたからもう関係ない、スポーツ店でもいこうぜ」