OMUKAE☆DATE♪
「……お?おお?」
ユリちゃんが不思議そうに声をあげる。

まるで変身を見たような驚き方だ。

「荷物、多いけど大丈夫なの?
寄るところがあるんでしょ?」

タクニイさんが手提げにした商品を持ったまま言った。

「大丈夫。タクシー使うし、
駅の近くだからロッカーに預ける」
夕美さんは元気に答えた。

「気をつけてね」
タクニイさんは夕美さんに言って、

「……下までお送りして」
と、金髪の青年に手提げ袋を渡した。

「了解しました」
金髪の青年は手提げ袋を受け取って、夕美さんの後に続く。

「さて、どうする前田さん。だいぶ時間経っちゃったけど」
篠原くんが聞く。

「う~ん。もう帰らないとやばいかも」
そろそろお母さん、帰って来る頃だ。

「じゃ、送ってくよ」
篠原くんが言うと、

「香織ちゃん、ちょっと待って」
と、タクニイさんが部屋の奥へ行った。
何か箱を開けている。

「ゴメンね。優人と陽太のお友達に、何のお構いもできませんで」
と、小さな紙包みをくれた。

いえいえ、興味深い話が聞けました。

エレベーターで階下へ着くと青年が待っているところだった。

「あれ?もう帰っちゃうんですか?
何のお構いもできませんで……」

店長と同じ事を言う。

仕事の邪魔しに来ている感じなのに良い人たちだ。

婦人服の店と和食屋の前を通って通りに出ると、町の風景が日常に帰ってきた事を告げる。

楽しい時間を過ごして更に

家までの道のりが温かく感じられる。






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