OMUKAE☆DATE♪
休日の朝から服をハンガーにかけて並べる。

私。

大体が日曜のこの時間に起きている事なんて滅多にない。

「デートじゃないんだよなっ、これが」

普通に一人で、近くの図書館に行く。

昨日は思わぬところで美羽根 希沙にあってしまった。

夢の追求、仕切り直し。

普通の理由で普通の外出先なのだが、何故か気合いが入っている。

「多分、タクニイさんや夕美さんの影響だよね~」

我ながら感化されやすいというか、
まあ、単純だね……。

――が、いくら気合いが入っていようとも、クロゼットの中の服やアイテムは同じなので……、

急に変われる訳もなく。

『ちょこっとお気にいりで固めただけ』

というコーディネートになった。


玄関では母が先に靴を履いていた。

「あら、どこに遊びに行くの?」

これだ、

これだよ。

(『図書館に勉強しに行くの?』と訊く選択は全くされない)

「えっと、図書館とか……、本屋?」
何故か疑問形で返事。

「そう……お友達と?昼ご飯どうするの?外で食べる?」

……これだよ。

→服に気合いが入っている→友達と会う

(相手が男子だという予想はしてない口調)

→ファストフードかファミレスで楽しくしゃべって帰って来る。

(「昼食代渡しておかないとお友達に気を使わせる」と、危惧している)

「ん~。どうなるのかな~」
思わぬ収入になりそうなので、あやふやな返事。

我ながらセコい。

母は財布から千円札を出しかけたが、私のブーイングに負けて五千円札に変更した。

「無駄遣いしちゃダメよ。余ったらちゃんと貯金に回しなさい。

それと、たまにはお小遣い帳見せて」

……。
信用されてない。

(まあ、当然と言えば当然かも)

出納帳は改ざんの嵐だし。

「鍵、持ってる?じゃ、行ってくるわね。あまり遅くならないようにするのよ」

慌ただしい。


日曜の朝なのに。










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