OMUKAE☆DATE♪
差し出されたスカーフを手に取る。

ものを『育てる』

そんな考え方今までした事なかった。

ーーでも、現に育ったものを見た。


「欲しいものがあったら手を伸ばしなさい。
そして手に取る、手に入れるの。

その力は誰でも持ってる。

どうでもいいものに紛れて、見えなくなっているだけ」

思わず、スカーフを受け取った。
何だか魔法にかかったみたいだった。


スカーフを見ていると、金髪の青年が戻って来た。

衝動的にスカーフを隠したくなる。


「行って来ましたよ、もー」

青年は仕上がりの品物をドサっと置きながら、


「あ。店長、一枚あげるんだ。

香織ちゃんかわいいから、花模様とかレース刺繍、似合いそうですもんね。

今日行った作家さんとこに連れて行ったら、色々被せられてもみくちゃにされそう」

それからタクニイさんの方を見て、

「いつも止めてる駐車場、空きました。
すぐ移動しましょう」

と、言った。タクニイさんは、

「はー、いい天気だよね。ビール飲みたいな」

と言った。

(……僕に運転手までさせる気?)

青年のつぶやきを後に、

「どうも……ありがとうございました!」

私はーー図書館ヘ行く。
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