OMUKAE☆DATE♪
図書館から家に帰ると、母上が先に帰って来ていた。
どうやら夕食の準備中?
私はお昼ごはん、図書館のロビーの片隅にある軽食コーナーでサンドイッチ食べて、コーヒー飲んだだけ。
まるで、がっつり勉強してるひとみたいな時短だが、内容は全く首尾が良くない。
『○○になるには』とか『✕✕になりたい!』
とか書いてある本を選んで何冊か……借りてきたが、バッグが重いばかりだった。
……お腹空いた。
やっぱりスマホやパソコンももっと使おう。
ーー本が……、本が、重い。
玄関に座り込むと、
「あら、……香織?おかえり。
……ひとり?途中でお姉ちゃん達に会わなかった?
ついさっき電話があったの。
もうユリちゃんのお迎え、香織が行かなくて良くなったみたいよ。
今から予定より早くなったけど、今までのお礼に来るって」
お玉を持ったまま、母が顔を出した。
「え〜!せっかく〜!
(せっかく面白い事がどんどん起き始めようとしてるみたいなのにぃ〜……。
なんで?なんで、このタイミング?!)」
私のつぶやきは母には関係ない事のようだ。
「ま〜、そう言わないで。
赤ちゃんのお世話なんて責任重大なんだし。
明日から開放されるじゃない。
大変な事だったんだから大威張りでいれば?」
もう声は遠い。
ふくれていると、玄関のチャイムが鳴った。
立ち上がりドアを開けると、透さん(お姉ちゃんの旦那さん)がいた。
「あっ、香織ちゃん。今晩は。
……あれ?香織ちゃん、今帰って来たの?
……お義母さんは?」
久しぶりに見る透さんだが、ますますカッコ良くなった気がする。
クソっ。お姉ちゃんめ。
何故だ。
何故、こんな人に好かれる事ができた。
カジュアルジャケットにブラックジーンズというラフな格好だが、
スタイルが良いとこうも違うものか。
「呼んできます。お姉ちゃんも?」
「うん、来てるよ」
透さんは持っていたバッグを家に入れて、
ユリちゃんを抱っこして後ろにいたお姉ちゃんを招き入れた。
それから、透さんとお姉ちゃんと、色々とイベント関係の話を聞いた。
透さんは、
「ホントにありがとうございました。
とりあえず、一番大変なところはようやく切り抜けまして」
と、言い、
2会場の場所が離れていたのだが、片方が使えなくなった事や、
使える会場近くのグラウンドに、野外ステージを特設することにした事、
(それでかえって移動が減って楽になった)
怪我で通院中だったスタッフが完全復帰して、
自分の午後からの時間が、わりかし空く事などを話した。
「ステージが始まったらまた忙しくなりますけど。
その頃には保育園、工事終わってますし。
明日から、僕が娘を迎えに行きます」
「たいへんだったわねえ〜」
母上がしんみりした口調で言う。
あんなにお姉ちゃんが仕事行くの、反対してたくせに……。
ユリちゃんは絨毯の上でコロコロしていた。
ーー急に今日でお別れかと思うと、何だかしんみりする。
仁科夫妻の今日のお土産は、ホテルレストランのローストビーフと、『ベジタブルパーラー』のサラダだった。
新鮮野菜とフルーツが華やかに、たっぷり盛り付けられていた。
「芳乃、香織、手伝って」
菜箸を持ち、フライパンを揺すりながら、母が言う。
「はーい」
何故かその場にいる全員で答えた。
キッチンのテーブルでなく、隣の部屋のローテーブルにサラダを置く。
ユリちゃんがはいはいで寄って来た。
大好物のイチゴが見えたから。
ローテーブルの端から手を伸ばした。
届かない。
「ユリちゃん、後で取ってあげるよ」
言ったんだけど。
まだ、諦めず手を伸ばしている。
「勝手に食べて服汚したら、怒られるよ?」
ユリちゃんは私の方を一度見て、ローテーブルの端を両手で掴んだ。
ぐぐっ。
ゆらゆらしながら立ち上がる。
……おおっ?!
そのままローテーブルに寄りかかるようにして、立ちポーズを維持し、
サラダの皿の端を掴む。
すごく得意気。
それからサラダを引き寄せて、お望みのイチゴを掴み取った.
頬張りながら、こっち見てドヤ顔。
くちの端から果汁垂れてる。
キッチンに戻って、
「ユリちゃん、もう立ち上がるんだね」
と、お姉ちゃんに言うと、
「え、うそ」
食事の準備してた母も、透さんも全員、振り向いて、
「うそ。ユリちゃん立ってる?!」
何だ、見たの私が一番乗りか。
「わー!立つとこ見たいー!
もういっぺん最初から!」
みんなで見に行き大騒ぎになった。
……やれやれ。
どうやら夕食の準備中?
私はお昼ごはん、図書館のロビーの片隅にある軽食コーナーでサンドイッチ食べて、コーヒー飲んだだけ。
まるで、がっつり勉強してるひとみたいな時短だが、内容は全く首尾が良くない。
『○○になるには』とか『✕✕になりたい!』
とか書いてある本を選んで何冊か……借りてきたが、バッグが重いばかりだった。
……お腹空いた。
やっぱりスマホやパソコンももっと使おう。
ーー本が……、本が、重い。
玄関に座り込むと、
「あら、……香織?おかえり。
……ひとり?途中でお姉ちゃん達に会わなかった?
ついさっき電話があったの。
もうユリちゃんのお迎え、香織が行かなくて良くなったみたいよ。
今から予定より早くなったけど、今までのお礼に来るって」
お玉を持ったまま、母が顔を出した。
「え〜!せっかく〜!
(せっかく面白い事がどんどん起き始めようとしてるみたいなのにぃ〜……。
なんで?なんで、このタイミング?!)」
私のつぶやきは母には関係ない事のようだ。
「ま〜、そう言わないで。
赤ちゃんのお世話なんて責任重大なんだし。
明日から開放されるじゃない。
大変な事だったんだから大威張りでいれば?」
もう声は遠い。
ふくれていると、玄関のチャイムが鳴った。
立ち上がりドアを開けると、透さん(お姉ちゃんの旦那さん)がいた。
「あっ、香織ちゃん。今晩は。
……あれ?香織ちゃん、今帰って来たの?
……お義母さんは?」
久しぶりに見る透さんだが、ますますカッコ良くなった気がする。
クソっ。お姉ちゃんめ。
何故だ。
何故、こんな人に好かれる事ができた。
カジュアルジャケットにブラックジーンズというラフな格好だが、
スタイルが良いとこうも違うものか。
「呼んできます。お姉ちゃんも?」
「うん、来てるよ」
透さんは持っていたバッグを家に入れて、
ユリちゃんを抱っこして後ろにいたお姉ちゃんを招き入れた。
それから、透さんとお姉ちゃんと、色々とイベント関係の話を聞いた。
透さんは、
「ホントにありがとうございました。
とりあえず、一番大変なところはようやく切り抜けまして」
と、言い、
2会場の場所が離れていたのだが、片方が使えなくなった事や、
使える会場近くのグラウンドに、野外ステージを特設することにした事、
(それでかえって移動が減って楽になった)
怪我で通院中だったスタッフが完全復帰して、
自分の午後からの時間が、わりかし空く事などを話した。
「ステージが始まったらまた忙しくなりますけど。
その頃には保育園、工事終わってますし。
明日から、僕が娘を迎えに行きます」
「たいへんだったわねえ〜」
母上がしんみりした口調で言う。
あんなにお姉ちゃんが仕事行くの、反対してたくせに……。
ユリちゃんは絨毯の上でコロコロしていた。
ーー急に今日でお別れかと思うと、何だかしんみりする。
仁科夫妻の今日のお土産は、ホテルレストランのローストビーフと、『ベジタブルパーラー』のサラダだった。
新鮮野菜とフルーツが華やかに、たっぷり盛り付けられていた。
「芳乃、香織、手伝って」
菜箸を持ち、フライパンを揺すりながら、母が言う。
「はーい」
何故かその場にいる全員で答えた。
キッチンのテーブルでなく、隣の部屋のローテーブルにサラダを置く。
ユリちゃんがはいはいで寄って来た。
大好物のイチゴが見えたから。
ローテーブルの端から手を伸ばした。
届かない。
「ユリちゃん、後で取ってあげるよ」
言ったんだけど。
まだ、諦めず手を伸ばしている。
「勝手に食べて服汚したら、怒られるよ?」
ユリちゃんは私の方を一度見て、ローテーブルの端を両手で掴んだ。
ぐぐっ。
ゆらゆらしながら立ち上がる。
……おおっ?!
そのままローテーブルに寄りかかるようにして、立ちポーズを維持し、
サラダの皿の端を掴む。
すごく得意気。
それからサラダを引き寄せて、お望みのイチゴを掴み取った.
頬張りながら、こっち見てドヤ顔。
くちの端から果汁垂れてる。
キッチンに戻って、
「ユリちゃん、もう立ち上がるんだね」
と、お姉ちゃんに言うと、
「え、うそ」
食事の準備してた母も、透さんも全員、振り向いて、
「うそ。ユリちゃん立ってる?!」
何だ、見たの私が一番乗りか。
「わー!立つとこ見たいー!
もういっぺん最初から!」
みんなで見に行き大騒ぎになった。
……やれやれ。