素肌に蜜とジョウネツ

さっきからずっと目には入っていたのに、やっぱり、こんなシチュエーションに鼓動が早さを増してしまう。

悔しい。

何で、こんな時に、こんなタイプの男にドキドキしてしまうのだろうか……

そんな風に一気に身体中が緊張で包まれていくと、


「ジッポ」


肩を掴む手とは反対の手のひらを私の顔の前に出して、高輪マネージャーが一言。

少しだけ、その言動の意味を考えた後、


「あっ!」


と、大声を出す私。

ジッポ!

ボーイに聞くのすっかり忘れてた……!

何だか何時にもまして色々と現状の自分について考えていたから、本当にうっかりしてしまっていた。


「何?忘れてたの?」

「ハイ……申し訳ございません……」


とりあえず、ジッポの件に関しては素直に謝罪してみる……

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