素肌に蜜とジョウネツ

「おじゃましましたっ」


荒い言葉と共に、バタンッと乱暴にドアを閉めて自分の部屋に戻る。


「ロミ男~…!もぉ、あんなに嫌味を吐く男初めて見たよぉ~…っていうか、これってパワハラ?セクハラ~?」


戻って直ぐにロミ男めがけて愚痴発射……

少々、声が大きいけど、このマンションは築浅で遮音性能の高い造りだって、不動産会社の人が言ってたし、

この位の愚痴や例の真っ最中の声も漏れてはいないと思う……

そう願いたい。

がくっと、頭を下にさげて、

溜め息をひとつ。

そして、ゆっくりと顔を上げると、水槽のガラスに映る自分の姿が目に入る。


“抱かれたというのに、見事な枯れっぷり”


浮かんでくる高輪マネージャーの言葉。

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