素肌に蜜とジョウネツ

「凌一に―…伝えたい事があるの」

『伝えたい事?』

「うん……」

『何だよ~、改まった言い方してさぁ』

「もう、やめよう」

『え?』

「私達、会うのはもうやめよう」


ダラダラと続いてしまった、身体だけへの関係への終止符。

ピリオドをはっきりと打たないといけない。


『―…』


私の言葉の後、電話の向こうで黙ってしまった凌一。

凌一は今、どんな事を思っているんだろう……

もうイイ大人だもの。

流石に私の言葉の意味は伝わっていると思う。

理由を聞かれたら?

引き止められたら?

それでも私は、ちゃんと今日で二人の関係をやめにしたい。

そう強く心を持とうとする中で、


『うん。わかった』


しばらくして帰ってきたのは、そんな言葉。

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