素肌に蜜とジョウネツ

もう、このままでもいっか……

なんて、思ったり。

っていうか、メイクなんてやり直してたら、高輪マネージャーを待たせてしまうし、お詫びの意味が薄れちゃう。


「じゃあ、せめて洗顔だけでもしてきます……」

「ああ、洗面台に洗顔料もタオルもあるから好きに使って。メイクまでちゃんと落ちるかはわかんないけど」

「え、いいんですか……?」

「何が?」

「い、いえ」


部屋は直ぐ隣りなのに、そんなお世話にまでなるなんて、何だかな。

それに、その会話で胸がくすぐったい感じになってる自分がいる。

これもまたお言葉に甘えて洗面台を借りて、洗顔をすますと、


「じゃあ、車出すよ」


半パンにTシャツのラフな格好の高輪マネージャーが車のキィーを片手にくるくるとまわしながら待ってる。

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