素肌に蜜とジョウネツ
昨日はあの後、二人で近くのスーパーに出掛けて、献立を一緒に考えながら食材を選んだりして―…
正直、楽しかった。
高輪マネージャーの部屋に戻ってからも、朝食の準備をほんの少しだけど手伝ってもらったりして、出来あがると、小さなテーブルに二人向き合って会話をしながら食べた。
やっぱり一緒の職場だから、
「今後の方針としてはブライダルに力を入れて行きたいんだけど、改善点とか一番売りにするべき点は女子目線から見たら何処だと思う?」
「宿泊に関しても近年で一気に増えた近辺のビジネスホテルとは違った、老舗ならではのサービスと施設の雰囲気で差別化を計っていきたいんだけど―…」
という感じで仕事の話題が多く出たりもして、勤めるホテルの在り方について私自身も改めて考えてみたり。
高輪マネージャーは引き抜きで来ているだけあって、話は深くて感心することが多い。
そんな姿にも、また惹かれている自分。
自棄酒で号泣が嘘みたいで、仕事の話が多くても、心の中はふわっと軽くて楽しい時間だった―…
「―…名さん、瀬名さん!」
「は、はいっ!!」
耳元で名前を呼ばれ、思わず必要以上に返事をしてしまう。