素肌に蜜とジョウネツ

美山ちゃんが〝あっ”とか急に声を出すから、実は〝まさか高輪マネージャーが??”なんて思って焦ってしまったけど―…

けど、どうしてまだ神崎マネージャーがホテルに残ってるんだろう。

だいぶ前に夜間マネージャーと交代で上がった筈なのに。


「お疲れ様です」


目が合うと、挨拶してくれる神崎マネージャー。


「お疲れ様です。今、帰り―…なんですか?」

「ああ、まぁ―…上がってから、ずっと他の部署の人達と雑談をしていたら気付けばこんな時間でね。あと―…」

「……?」

「ちょっと二人ともフロントバックに来てもらっていいかな?」


周りを気にするようにして、そう私達に言う。

美山ちゃんと〝何だろう?”と目を見合わせて、フロントバックへと入ると、


「単刀直入に聞くけど、二人はこの仕事の他にも働いている場所があったりしないよね?」


いきなりそんな事を訊ねられて、


「っ……!?」


かなりドキッと動揺してしまう。

< 258 / 374 >

この作品をシェア

pagetop