素肌に蜜とジョウネツ

「上島さん……」


こんなに話をしてくれる上島さんは初めてだ。

泣きながら、どもりながらだけど、言葉を口にしてくれている。

でも、出来るなら、こんな状況で聞きたくは無かった―…


「あの……もしかして、なんですけど……私の本職の職場に電話したりとか―…しましたか?」


無言電話の事を思い出して、間違っていたらかなり失礼だ……

とは思いつつも、聞いてみた。


「は……い……」


涙ながらに頷いて、認める上島さん。


「じゃあ―…私の副業に関するFAXも送ってきたり……?」

「―…は……い」

「……」


無言電話もFAXも上島さんが―…

時々感じた、誰かに見られている様な感じも気のせいじゃなかったんだ。

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