素肌に蜜とジョウネツ

そんな上島さんに、


「お前なぁ……謝って済む問題じゃないだろ?」


と、再び、高輪マネージャーは胸ぐらを掴む手に力を入れたみたいで、


「……っ!……っ!」


苦しそうに目を閉じながらも、上島さんが頷こうとしているのがわかる。


「ごめ……っ……ごめん……なさ……っ……」


謝罪の言葉を口にしようとしている上島さんも、だ。

そんな様子を見ていると、


「高輪マネージャー―…もう、いいです……」


ポツリ、と私の口からそんな言葉が出てきてしまっていた―…

怖かった。

言葉が出ない程、怖かった―…

でも、あんな酷い事をされてしまったけれども、もう、これ以上、上島さんに謝ってほしくはないという気持ち。

もし、高輪マネージャーが助けに助けてくれなかったら、あの後、上島さんは私に何をする気だったのか、

それはわからない。わからないし、考えたくも無い。

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