素肌に蜜とジョウネツ

今、優しくなんてしないで。

結局、私は単純な女で、あんな風に助けられたり、優しくされたら好きになってしまう。

それに―…


「私―…は、夜のお店のお客に襲われたり……セフレと切れた夜に酔っ払って―…隣りの男の部屋に押しかけて下着姿で一泊するようなバカな……バカな女なんです―…」


“助けてくれて、ありがとうございました”


それだけ伝えて、気持ちを隠してやり過ごせる様な大人の女じゃない。


「高輪マネージャーは……っ、私がそんなバカだから、からかったりして楽しんでいるのかもしれないですけど、もう―…」


もう、


「やめて……下さい……」


私こそ、これ以上、言葉を口にするのをやめればいいのに、やめられない。

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