素肌に蜜とジョウネツ

先ずは、


「失礼―…します」


無事に総務部に着き、A4コピー用紙を受け取る。

こういう時って、戻る時が気が抜けない。

緊張する手で総務部の部屋のドアを開け、慎重に閉める。

あとは、ここから無事にフロントに―…

そう思った途端、


「あっ」

「……っ!!」


営業部の方から、そんな男性の声が聞こえたものだから大焦り。

だけど、


「瀬名さんっ、ちょうど良かった!」


そう言って私に声をかけてきた男性は、高輪マネージャーではなくて、


「上原……くん?」


一緒に模擬挙式のモデルをした、営業部の上原くん。

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