素肌に蜜とジョウネツ

「瀬名さん、今からラウンジに上がったりしません??」

「い、いえ―…フロントに戻りますけど……」

「じゃあ、フロントからでいいんで、内線で13時半予約のSコーポレーション新堂会長が急遽11時半予約に変更って伝えてもらえませんか!?」

「えぇ!?」

「さっきから何度もラウンジに連絡入れてるんですけど、受話器が上がってるのか、ずっと話し中で―…」

「だったら上原くん、直接ラウンジに行って伝えれば……」

「それが、今から外に出て打ち合わせがあるんで、もう直ぐにでも出ないと間に合わないんですよ~…こんな時に限って、うちの部、今みんな出てるんですよね」

「って言われても―…」


こういう連絡業務って、直接やってもらわないと詳細が分からないから困る。

しかも、予約変更って一度その部署に確認してから受けるべきなんじゃ……

色々と思うけど、


「すみません!ホント出ないとマズイんで、瀬名さん、お願いしますっ!」


かなり上原くんも焦っているみたいだから、


「わかりました。新堂会長、11時半に変更とラウンジに連絡ですね」


と、渋々ながらも了承した。

< 303 / 374 >

この作品をシェア

pagetop