素肌に蜜とジョウネツ
「瀬名さん、今からラウンジに上がったりしません??」
「い、いえ―…フロントに戻りますけど……」
「じゃあ、フロントからでいいんで、内線で13時半予約のSコーポレーション新堂会長が急遽11時半予約に変更って伝えてもらえませんか!?」
「えぇ!?」
「さっきから何度もラウンジに連絡入れてるんですけど、受話器が上がってるのか、ずっと話し中で―…」
「だったら上原くん、直接ラウンジに行って伝えれば……」
「それが、今から外に出て打ち合わせがあるんで、もう直ぐにでも出ないと間に合わないんですよ~…こんな時に限って、うちの部、今みんな出てるんですよね」
「って言われても―…」
こういう連絡業務って、直接やってもらわないと詳細が分からないから困る。
しかも、予約変更って一度その部署に確認してから受けるべきなんじゃ……
色々と思うけど、
「すみません!ホント出ないとマズイんで、瀬名さん、お願いしますっ!」
かなり上原くんも焦っているみたいだから、
「わかりました。新堂会長、11時半に変更とラウンジに連絡ですね」
と、渋々ながらも了承した。