素肌に蜜とジョウネツ

「何で私が昨日会ったばかりの、全くの他人である異性に夕飯を作らないといけないんですか……?」

「他人って冷たいな。直属ではないにしろ、一応、会社の上司だろ」

「上司なのに部下の秘密をいいことに、おどしめいた事をしてもいいんですかっ?」

「人聞きが悪いな。そうだな……せめて契約と言ってくれ」

「言い方なんてどうでもいいんですっ!」


都合よく解釈を進めようとする高輪マネージャーに、思わず大声を出してしまう私。

だって、こんな話、おかしい。

昨日知り合ったばかりの女に、悪びれた様子も無く弱みにつけこんで図々しい約束を取り付ける高輪マネージャーの神経が考えられない。

しかも、初対面時、

めちゃくちゃ愛想無く、態度もわるかったのに!

何だか思い出して、怒りが込み上げていると、


「もしかして、ヤラしい事、期待してんの?」


そんな言葉を無表情で口にする高輪マネージャー。

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