素肌に蜜とジョウネツ

「なっ……!」

「安心しろ。別に俺の部屋に上がりこんで夕飯を作れと言ってるわけじゃないから。君は届けてくれればいいだけ。出前みたいに」

「出前って……」

「期待させて悪いが、同じ職場の女に手を出してこじれるという面倒な事態は俺も避けたいから。こっちも肩書きもらって引き抜かれてる身だし」


それなら尚更、そんなハナシを持ってこないでよ!

人事部に訴えてやる……!

と、意気込むものの、

そうなると、夜の副業がバレちゃうし……

それは私には無理だ……

分が悪く、ガクッと落ち込む私。


「あれ?やっぱり期待してたの?」

「違います……」

「申し訳ないが、潤いのない枯れかけ状態の今の君では押し倒す気分にもならない」

「……セクハラですよね」

「それは失礼」


もうっ、

本当に失礼だから!


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