キミに夢中な俺‼
紬も会社に言ったら左の指から右
に変えていた。
だって先輩の目は左手薬指に敏感だ
それに婚約者がいれば風当たりも
かなり厳しい。
特に百合子先輩は群を抜く厳しさ。
だから若い女の子は寿屋退社とは
言わずに水面下で動く。
やや早めに退職する。
「あ~梅迫君。ちょっと!」
「はい?なんでしょう。」
ちょっと体格のいい課長によばれ
椅子を立つ。
「ウ~ン理屈はわかってるが
残業オーバーしてるから
調整で明日休んでくれ。」
「え~、また?明日金曜日ですけど?」
「合コンの押し付け残業だろ?
いいよ。」
「上司命令なら従います。」
ヤッター♡
降ってわいたようなお休み!!
コッソーり、鬼課長論の仕事場に
行く。ロンの前でうなだれている
女の子発見
「ナニ?怒ってんの?うわ~あ
泣いてるジャン。」
階段の陰から眺めていると、
ダンディーな白髪の背の高い男性が
ぺかぺかした髪にちょび髭をはやした
痩せっぽちの男性と立ち話をしていた。
聞くつもりは無かったが聞こえてきた。
「大江論君はどの社員?」
ダンディーな彼が聞いていた。
「ん? 大江っていいました?論?」
「ロンに用事?」
グッとタイミングテキナ!
自然と👂はダンボノヨウニ大きくなる。
「ああ、あの男です!呼びますか?」
「いやいい、今度な!!
娘があんまりお熱なもんでな。
見にきたまでですよ。」
ハハハハ
「いゃあ~そうでしたかー
彼はなかなかの人物で私達も
期待しておるのですよ。」
ハハハハ
「彼は?結婚の予定はあるのかな?」
「いゃあ~無いでしょう。
しかし彼は、もてますよ。
でも真面目で浮いた話は
聞きませんな!!」
「ふむふむ!! なる程。」
しばらく論の仕事を眺めていた彼は
秘書らしき黒いスーツを着た男性
が現れるまで論の事をずっと質問
していた。
幸福の木の鉢植えの後ろで
« 何で?ロンの事ネホリ、ハホリ?»
紬は、ずっと不思議だった。