キミに夢中な俺‼
悠人が、ふてくされた蒼介を
なだめるように、
肩をポンポンと叩いた。



「実はな!
朋美に会ったんだよ。」



俺は隠せる事じやないし黙ってる
訳にもいかない。


俺と紬は、その内 式を挙げるし
三田夫妻にも、蒼介にも式には出て
ほしい。
俺と紬の大事な人達だからだ。

蒼介は飲んでいた水割りを咥えたまま
止まった。


      「で…・!!
今更だ…ろ。」


「ああ、俺もそう思っていた。

 あれはお前が誤解したんだ。
 朋美は、嘘つける女じやないだろ?
 お前が一番知ってたんじゃないか?」


            
それから朋美との思わぬ再会、
紬が世話になっている事
朋美が、結婚して娘がいること。

不妊治療の末、2人目を
三年かけて子供を授かった事。
を報告した。




蒼介は少し寂しそうな顔をして
遠い昔を懐かしんでいるのか?
ちびちびと酒を呑んだ。


やはり心のどこかで、あの時の
真実が頭を出していたのかもしれない。
そして、蒼介も真実を確かめ無いまま
別れた事を後悔したんだろう。




年月が過ぎるまま風化していったが
時々頭を出してきて、
後悔とやるせない思いに
縛られていたと思う。



俺たちはもう直ぐ30歳になる。
色々な事を乗り越えた年齢だ。

暫くして蒼介は
「咲姫に会いたくなった。」
と言って店を急に出ていった。




昔の事だ…。
あの頃ベタベタに惚れていた朋美…


「そうだよ。」
 よく考えたら、彼女の浮気じゃ
ない!
朋美が倒れたのは本当だった

 あんなに三田から着信あったし・・・
 
 だけどなぜか許せなかったんだ。
 朋美が貧血気味なのは知ってたし。

 あれは妬きもちだ。
 今なら、相手の三田にもありがとう。
 と礼も言えるだろう。

 若すぎたんだよ。
 子供だったんだ。

昔話が咲姫への想いをたちあがらせる
咲姫に会いたい、咲姫の顔を見たい。



「あれ?蒼介どうしたの?」

   「咲姫に会いたくてさ。」

「ふふ、嬉しい。なんか食べる?」


「今3人で呑んで来たんだよ。」

テーブルの上には体温計?
みたいなものがあった。

咲姫はパパパとかたずけて、
お菓子とコーヒーを持って来た。

暫くゲームに二人で没頭した。

  
もう直ぐ日付けが変わる頃!


「ねえ、蒼介?」

      「ん、ナニ?」

「子供…好き?ほしい?
 私と蒼介のあかちゃん。」


    「ン?後々は欲しいけど
     まだいらないかな?
     もう少し、遊びたいかな?

     子供できたらさ
     どこもいけないし
     限られるじゃん。」


「そ、そっか。
 うん、確かにね…。」

  「あ~酒回ったのかな?
      ねみーい。」

ソファーにゴロンとなった蒼介は
直ぐ寝てしまった。

毛布を掛けて上げながら
さっきの妊娠検査薬をかかげてみる。
カレンダーの♡の日は
蒼介がお泊まりした日


ハアアアアッ!「どうしょう。
     お腹を撫でながら
     ボーッとしてると。」

蒼介がポッリ
「朋美、朋美、良かったな?」
   エッ !(꒪╻꒪|||)

なんじゃと?

・・・・・・・・・・・・?

朋美って・・・・・・ ¯ _ ¯? ダレダ?










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