キミに夢中な俺‼
「う~ん。
おめでとうございます。
2ヶ月ですね。
悪阻はありませんか?」
ああ、ヤッパリ。
嬉しい気持ちが起きないのは
蒼介がまだ子供を欲しがって無い
からだ。
咲姫もこの先不安になる。
暫くなんだかわからないまま
時間が過ぎた。
気がつくと産科の前の
バス停に腰かけて
いた。
暫く蒼介には会いたく無くて
ブロック、着信拒否をした。
頭の中は
両親と子供のことだった。
両親になんて言おう。
きっと叱られる。
いやいや子供は何も出来ない
この子の味方は私しかいない。
不安にさせたらダメ
蒼介が嫌なら蒼介は知らないまま
産んだ方がいい。
咲姫は紬に会いに、行こうと喜代乃を
誘ったが清代乃は、仕事で行けなくて
一人新幹線に飛び乗った。
「蒼介と、悠人さんには
紬の所に行く事、内緒にして
しらんふりしてて…
後で話すから。」
咲姫は、清代乃に口止めをして
紬の所へ旅立った。
清代乃は何の事か、分からなかったが
取り敢えず了解した。
「うん。咲姫
分かった明日
私も行くからね。」
会社は有給4日間
もらった。
友達と旅行って言ってある。
駅につくと紬が、迎えに来ていた。
「さき~い、咲姫Д
ここ、ここ!」
相変わらずの紬の
おちゃらけぶりにホッとする。
駅で抱き合い再会を喜んでいると
白髪のお婆ちゃんが
「あらあ、あなたはこの間の!
ホラァ!エスカレーターのとこで
会ったでしょ。」
紬は記憶をたどって
「あ、あ~ああのときのー
お婆ちゃん。
あの時はありがとう
ございましたー‼」
「ピンポーン。そそ
偶然ね!!」
おばあちゃんは、明るい口調で
話してくる
「はああ~い。
本当に!!。
あの時はありがとうございました。」
紬は、あの日の荷物を持って
駆け上がってきた老女にペコりと
頭をさげた。
お婆さんは、咲姫を見て
「お友達?」
と、にこやかに聞いてきた。
「友達です。東京から来たんですよ」
咲姫はぺこりと頭をさげた。
「まあまあ、おつかれね。
良かったら何か食べない?」
おばあちゃんは、ニコニコしながら
食事に誘ってきた。
歳は80過ぎくらいしかし
元気な足取りは、60代くらいだろう。
「あらあ、!!じゃあ狭いけど
家にきませんか?
近いんですよ。
ご飯用意してるし。」
「あらあら、じゃあまた今度ね。」
そう言ったおばあちゃんを引き留め
この間のお礼もしたいので
紬のマンションへと誘った。
お婆ちゃんは、あらまあと
喜び3人で紬のマンション
へと歩く。
真新しいマンションは
こざっぱりしていた。
玄関を開けるとシューズケースが縦に大きく、細い廊下を抜けると
六畳のリビングがあり、
ベッドソファーがでーんと
居座っていた。
「ささ‼どうぞ、物が無いけどヘヘッ
あ、あ、そうだ。」
ギコギコ音をならし折りあげると
ソファーに早変わり。
お上品そうなお婆ちゃんは
あらあらあら~と叫んでいた。
「ここ、座って下さい。」
「はいはい、ありがと、ありがと。」
3人で、春野菜のサラダ、唐揚げ
パスタ、お味噌汁
後デザートはコンビニの
ケーキ!
デデーンと冷蔵庫からテーブルへと
運ぶ。
あ!竹の子ご飯があるよ。
と蓋を開けた時
咲姫が、
「ウプ!ウプウウウットイレ
トイレ!」
( ⊙⊙)!!慌てて洗面所に掛けいる
咲姫を見て
( ˘꒳˘ )成程とおばあちゃんは、
頷いた!
お婆ちゃんが、お水にレモンをしぼり
ゲロゲロ吐いている咲姫に手渡した。
「さき~い、胃腸炎!大丈夫?」
「ほほほ、この間の妊婦さんは
すぐ分かったのに、分から無いの?」
「え~、!!まさかぁ~咲姫がぁ、あああ
ねぇ、そうなの?」
紬が、訪ねると咲姫は小さく
頷く‼
「2ヶ月になった所だって!」
「えええぇぇぇ咲姫がぁ~
妊━━━━━━娠‼」
咲姫をソファーベットに寝かせたら
お祖母ちゃんが、さっぱり梅干しの
サラダ、冷やし中華をパパパパパパ
と、作ってくれた。
最近悩んで食べれなかったと、
思い込んでいた咲姫は
悪阻だったんだと分かった。